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花火
(原題:Hanabi)
発売年 |
2011年 |
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プレイ人数 |
2~5人 |
プレイ時間 |
25分 |
対象年齢 |
8歳以上 |
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デザイナー |
Antoine Bauza |
備考 |
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ゲーム概要
みんなで協力して花火を打ち上げましょう。
花火は「同じ色」を「低い数字から順に高い数字」へ、というルールに従って打ち上げる段取りになっています。
自分の手元は見えませんが、相方の手元は何故か見えます
。上手いこと合図を送り、またそれを見事に察して、夜空に大輪の花を咲かせてください。
- 元は、1セットで2種類の遊び方をできる『花火&生け花/Hanabi & Ikebana』(2010年)というインディーズレーベル作品の「花火」というルール。
ルール(概略)
コンポーネントの特徴
- 5色の花火カードには、それぞれ1~5の数字が振られている。
数字の内訳は「1, 1, 1, 2, 2, 3, 3, 4, 4, 5」の10枚。5色で計50枚のカードを使用する。- ルールを知るとわかる事だが「1は多め、2~4は1枚ずつ予備があり、
5は1枚しか無い
」というバランスになっている。
- この他、ヒントチップ8枚と雷チップ3枚を使用。
プレイ上のポイント
- プレイヤーは常に5枚の手札を持つ。
ただし、
自分にはカードの背中を向け、他人からのみ表面が見える
ようにすること。
- 手番では3種類のアクションから1つを実行できる。手札を消費した場合は、即時で補充する。
- 1. 手札を1枚プレイする
- 花火カードを場に出す際は、1色につき1列、「1→2→3→4→5」の順番を厳守する。数字が飛ぶ、または同数以下の数字を出すと1ミス。
- 2. 手札を1枚捨て、ヒントチップを1つ回復する
- 3. ヒントチップを消費し、自分以外のプレイヤー1人に対し、手札のヒントを出す
- ヒントは「特定の色」か「特定の数字」のいずれかについて、対象の手札5枚の中から該当するカードを全て列挙すること。
- 打ち上げミスや捨て札でゲームから外れたカードの山は、いつでも誰でも確認可。
- プレイヤーの手札情報や作戦の相談は禁止。ただし、呻き・呟きや関係のない雑談、仕草レベルとなると、特に細かく規定されていないらしい。
- 5の花火の打ち上げに成功すると、ボーナスでヒントチップが1つ回復する。
- ヒントの解釈の仕方は、場合によって様々。テキトーに一例を示すが、あくまでも「一つの解釈」である。
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- Case1. さんざん唸った後で「これとこれが1です」
- どちらかが地雷っぽい伝え方だが、ヒントで指示された中に「引いて間もないカード」がある場合、そちらはセーフの可能性が高そう。実際セーフだった場合は、もう片方は有力捨て札候補。
- Case2. 周囲をぐるっと見回し、次手番の人に向かって「これは○色です」
- そのプレイヤーから見える範囲の手札に○色が多めである場合、「安パイだ、いいから早く出せ」と聞こえるような気がする。
- Case3. 序盤で「これは5です」
- 1~2あたりの打ち上げを優先したい序盤でこれ。「それだけは捨ててくれるな」という意図を感じると共に、どうも他のカードも3や4ばかりの予感が。自手番はランダム捨て札が無難か。
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終了条件・得点計算
- 山札が尽きたら、その後各プレイヤーが1手番ずつ行って終了。
- 打ち上げに成功したカードの枚数分が得点となる。全ての色の花火をカンペキに打ち上げれば25点。
- その場で誰かと競うわけではなく、25に近づけるよう努力して楽しむゲームである。
- 3回ミスするとその場でゲームオーバーになる。3回目のミス以前のスコアを計上して終了。
ゲームの流れ
- プレイヤーにカードを配る。その際、自分にカードの背中を向けて持つこと
- 手番が来たら、以下のアクションから1つを選択
- カードを場にプレイ(花火を打ち上げる)
- カードを捨ててヒント権を増やす
- 別のプレイヤー1人の手札のヒントを出す
- ゲーム終了条件を満たすまで2を繰り返す
打ち上げOKと判断したらカードをプレイ、わからない場合はカードを捨てるか他の人にヒントを送る。
ルールそのものは単純で、あとは「空気を読む力」が場を支配していく。
コメント
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プレイ感と感想について |
- ゲーム性
- 「出せる/出せない」「残すべき/捨てるべき」といった、役割の相反する悩ましい札が混在する状況に対し、少ないヒントで勘所を伝えるのはかなり頭を使う。100%の理詰めが成立しにくい中、不十分なりに精一杯意思の疎通をして、そこから先は以心伝心の世界。プレイヤーの性格が強く出るゲームと言える。
ちなみに、ルール上「仕切り魔が現れにくい」という協力ゲームとしては珍しい性質を持っている。
- 難易度
- 高い。例えば、不確定のカードを確定させるには2ヒント必要、そのカードを仮に捨てるとリターンは1ヒント権でアド損。2~4は同じ札が2枚捨てられてしまうと、もう25点は取れない。同じく25点を狙うなら、どんじりの5カードもおいそれと捨てられず手札を圧迫する上にチャンスは1度きり。初見での完全クリアは相当な試練となる。
となると記憶力の方も、一度得たヒントは基本的に忘れないレベルを要求される。
- プレイ難度
- こちらは簡単。手札からプレイするか、捨てるか、他の人に願いを託すか。ポイントを掴むのに多少時間はかかるが、一度知ってしまえば考える事に集中しやすい。
欠点
- ヒント出しの工夫が「効率化」に傾倒してしまうほど硬派な難易度をしていて、これが合わないという人には勧めにくい。記憶力に自信が無い、プレッシャーに弱い、という人も同様。
- 元が2in1ゲームだからという点を差し引くにしても、花火というテーマは取ってつけた感強し。テーマの趣とルールの間には直接関係がない。
お勧めタイプ
「言外に込めた思い」の伝わる・伝わらないに一喜一憂する、協力ものとして見ても見なくても珍しい奇妙なプレイ感が魅力。それだけに、人による当たり外れの差も恐らく大きい。
ヒント効率、ここ一番のヤマカン期待値、といった要素は経験で補えるけれども、目的そのものよりも過程に光るものをもつタイプであり、25点満点に近づこうとしている途上段階や、慣れてきた頃にメンツを変えて遊ぶ時が一番面白いかもしれない。厳しめの難易度に反し、わりと緩めに接すると個性をよく発揮するゲームである。
【お勧め度:★★★★★☆☆☆--】
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その他
- バリアントルール
- 第6の花火列を追加するバリアントルール。五色のカラフルな花火カードが新たに登場し、直接的に難易度アップ。
更に、6番目のカードに対してヒントを出す時は、数字はそのままでいいとして、その色を「全ての色に該当する」ものとして考える。6番目のカードだけをヒントとして出す事はできない。- このカラフル花火を単純に6色目と見なす(色についてのヒントも他の5色と同じにする)難度軽減ルールや、オールマイティカラーとして使用する低難度化ルールもある。
- ヒントチップを2枚増やすイージーモードや、1ミスでゲームオーバーとするエキスパートモードもあるとか。
関連商品
- オリジナルである『花火&生け花』の他、バージョン違いで旧版と新版がある。旧版はカードが正方形らしく、きりづらいそうな。
FAQ
- Q:完全クリアが見えません。
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A:
何度もプレイしている内に参加者の発想の方向性がまとまってきて、空気を読む力が伸びるというか、読みやすい空気になるというか、そんな感じで難易度がこなれてきます。20点代を安定して取れるようになれば、あとは流れ次第で満点が見えてきます。
とはいえ、ご大層なコンポーネントを使うでなし、プレイ時間が長大なわけでなし。「意思の疎通が上手くいかない様子」もこのゲームの面白みのひとつと割り切って、気楽に接するのもありでしょう。つい熱が入りがちで息抜きにはあまり適さないのですが、話のネタは作りやすいゲームです。
- Q:ちょっとしたリアクションもヒントの内になりますね。無言プレイ推奨なのでしょうか?
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A:
基本的にはそのようです。ただし、あまり雰囲気を張り詰めすぎるのも遊びとしてどうなのか、難しいところです。
「私語厳禁」と厳正に取り決めても、目配せだって立派な情報になり得ます。興を醒まし過ぎないうよう、常識の範囲内で緩くするかキツくするか空気を読むのが無難でしょう。ジャッジは「その場にいる皆」です。
どこまで行っても空気頼みなあたりが、つくづく個性的なゲームですね。
改定履歴
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改定履歴 |
- 13/06/09[ルール記載漏れ] 終了条件に、山札が尽きた後で「その後各プレイヤーが1手番ずつ行って終了。」を追記。
- 13/06/09[ルール記載漏れ] 「5の花火の打ち上げに成功すると、ボーナスでヒントチップが1つ回復する。」を追記。
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最終更新:2013年07月18日 00:24